メック解説&運用(100t)

  キングクラブ   マッキー




 破壊を呼ぶ両腕
3020年代
KGC−OOOO キングクラブ KING CRAB

背景
 星間連盟の崩壊期に設計されたキングクラブは、アレクサンドル=ケレンスキーの「一斉射でメックを擱座ないし破壊できるだけの攻撃力を持ったメック」という要求に応えたものです。
 腕に搭載されている武器が武器ですので、キングクラブのアクチュエイターはただ一つの目的のために作られ、非常に簡単な作りになっています。各腕装備のインペレイター=D式オートキャノンを収納し、守るだけ。戦闘中はただはさみか爪のように開閉するだけです。このアクチュエイターの形状からこのメックの名前がつくことになりました。

仕様
機動力 3/5/0 10’202’000CB
放熱能力 15
装甲 272
武装 名称 装備位置
AC20 左腕から左胴にかけて
AC20 右腕から右胴にかけて
弾薬(AC20)2t=10射 左胴/右胴に1tづつ
LRM15 左胴
弾薬(LRM15)1t=8射 左胴
大口径レーザー 右胴

一般戦術
 キングクラブの役目は単純です。立ちふさがる敵を強力な火力でなぎ倒すだけ。2門のオートキャノン20のうち、どちらか一方が当たっただけでも被害者は転倒判定を強制されます。まして2発とも当たったうえ、転倒し、さらに蹴られでもしようものなら...緊急脱出したときに怪我をしないといいですね。
 基本的な戦術は、可能なら走行してオートキャノン20を2射。これだと1点発熱しますが、気にする必要はないでしょう。熱が5点溜まったときにはオートキャノンの弾薬はもうなくなっているはずです。オートキャノンでは遠距離になってしまうのなら、走行して大口径レーザーとLRM15です。こちらは発熱しません。基本的に熱を気にしなくてもいい機体なので、ひたすら前進して破壊するのみです。
 欠点といえば、オートキャノンもLRMも弾数が少ないことです。1対1では問題はないのですが(AC20が10発も飛んだあとで立っているメックは少ないですね。当てられたフェイズには転倒判定があることも忘れずに。転倒した次のターンには隣接されている可能性は高いです。)、弾薬を消費し尽くしてしまいやすい多数対多数の戦闘では、大口径レーザーを振りかざしながら格闘戦を主体に戦うはめになりそうです。オートキャノンの弾薬は大事に消費しましょう。(といっても、当たり目が少しでもあるとガンガン弾薬を使ってしまうのが私の好みの戦い方ですが)

対重量級以下の戦術
 重量級以下でこれ以上の遠距離火力を有している機体は少ないでしょうから、遠距離でのLRM15と大口径レーザーの射ち合いだけでも、装甲が厚い分有利です。そして近距離になれば...何をか云わんや、ですね。

対強襲級の戦術
 キングクラブの近接火力は強力であり、強襲級といえども右に出るものはありません、しかしそれも弾薬が続く限りです。そしてその弾薬は5斉射分しかありません。相手が強襲級ともなればACの1発2発では勝負がつかないことが多いでしょう。またACは当たらなければそれまでです。中口径レーザーやSRMを大量に装備した機体とちがい、コンスタンスに一定量のダメージを期待することはできません。当たればよし、外れれば、貴重な弾薬の1割をまるごと無駄遣いしてしまったことになります。
 これらの理由のため、目標値が高くてもどんどん射撃をしていれば、弾薬が尽きた段階で、全く戦闘力の奪われていない強襲級を目前にしていることがしばしばあります。搭乗者がグリーンであればその確率はかなり高いでしょう。かといって弾薬を射ち控えていれば、利点であるはずの近距離戦闘力が激減してしまいます。重い機体と戦うときには運用の難しい機体といえるでしょう。

改造指針
 射程が短くなる分、遠距離攻撃能力が多少下がりますが、LRM15を大口径レーザーに替え、余った3トンをAC20の弾薬2トンと放熱機1トンに回します。こうすることでAC20の稼動時間が倍になり、弾薬が尽きた際の戦闘能力がかなり上昇します。
 なお、キングクラブの2門のAC20(あるいはガウスライフル)を取り外すことは法律で禁止されています(笑)。



 最初のメック
2430年代
MSK−6S マッキー MACKIE

背景
 「脚の生えた箱」。ある軍事関係者がマッキーを初めて見たときに評した言葉です。他の軍人たちは「マッキーこそ将来の戦場の担い手だ」と評しました。そして彼らの評価が正しかったことは、その後の歴史が証明しています。
 最初のバトルメック・マッキーは地球政府のもとで2439年に製造されました。その後2443年までバトルメックの存在は秘密にされてきました。バトルメックが戦場に登場したのは2443年惑星スティクスにおいて、第81重機兵隊所属のマッキーの1個小隊がクリタ家の戦車1個中隊を破ったときです。
 2455年にライラ共和国の特殊部隊がマッキーの製造法を奪い取っていってからは、バトルメックは中心領域中で製造されることになりました。
 ステファン=アマリスが地球の支配権を握るまでマッキーの製造は続き、アレクサンダー=ケレンスキー将軍が第一エクソダスを行った折には、少なくとも100体のマッキーがケレンスキー将軍に従ったとみられています。
 マッキーは最初に大量生産されたバトルメックであり、少なくとも6つの製造工場を持っていました。マッキーの製造を行っていたスコベル社の工場のうち、3つは破壊され、残りは所在不明です。
 現在運用されているマッキーは存在せず、いかなる継承国家も傭兵部隊も稼動状態のマッキーを保有していません。

 マッキーは現在のメックと比べると重いコンポーネントを使用しています。エンジンは出力360ながら33トンもの重量があります。装甲も20トンあり、コクピットは5トンあります。そのため、現在の技術でマッキーを製造すると17トンの余裕ができることになります。

仕様
機動力 3/5/0 8’784’000CB
放熱能力 15
装甲 212
武装 名称 装備位置
PPC 左腕
AC10 右腕
弾薬(AC10)2t=20射 右胴
2×中口径レーザー 胴中央
未使用重量 17t

 マッキーには以下のバージョンの試作機があります。
MSK−5S マッキー MACKIE(100t)
機動力 3/5/0 CB
放熱能力 20
装甲 320
武装 名称 装備位置
PPC 左胴
大口径レーザー 胴中央
SRM4 右胴
弾薬(SRM4)1t=25射 右胴
MSK−5S マッキー MACKIE(90t) SNE版
機動力 4/6/0 CB
放熱能力 19
装甲 272
武装 名称 装備位置
PPC 左胴
大口径レーザー 胴中央
SRM4 右胴
弾薬(SRM4)1t=25射 右胴

一般戦術
 マッキーの火力は、その重量の割に低く作られています。また、装甲もこの重量のメックとしてはやや頼りないものがあります。したがって運用するときには85トンクラスのメックと同程度の戦力と考えた方がいいでしょう。ただ、100トンの重量は高い格闘ダメージを供給してくれます。格闘戦を主体に戦うべきです。その場合は、近距離用の主武器AC10が腕に装備されているので、蹴りを主体とした戦いになるでしょう。

対重量級以下の戦術
 未使用重量が17トンもあるとは言え、重量級以下とは互角かそれ以上の戦いが出来るだけの火力はあります。うまく格闘戦にもちこめば強力な蹴りをお見舞いすることも出来ます。蹴りが当たっただけでも転倒判定を強制させるというのは、100トンの特権です。格闘戦というカードをちらつかせて相手を威圧してやりましょう。

対強襲級の戦術
 残念ながら、マッキーの戦力は強襲級で最も軽い80トンのゼウスや85トンのバトルマスターに比べれば見劣りしてしまいます(95トンのバンシーとなら互角ですが)。100トンのアトラスやキングクラブには敵するべくもありません。しかも頭部に8点しか装甲を張っていないので、90トン以上のメックと殴り合いをすることは非常に危険です。90トン以上のメックのパンチを頭部に受けた場合、2/15の確率で沈んでしまいます(1個所致命的命中の確率*操縦席命中の確率=3/12*1/5。2個所致命的命中の確率*操縦席命中の確率=5/36*2/5。頭部完全破壊の確率=1/36。以上の合計)。
 しかし、普通に射ち合っていればほぼ確実に射ち負けるので、上の危険を覚悟の上で100トンキックに活路を見出すしかありません。キックが命中した際、相手が転倒する可能性は、こちらの操縦席を飛ばされる可能性よりははるかに高いでしょう(相手の操縦ロールにもよりますが)。

改造指針
 マッキーにはほぼ必要最低限の装備しか搭載されていないので、無理をして何かを取り外すよりは、余っている17トンを何に使用するかという問題になります。何トンかは装甲にまわすとしても、かなりの重量が自由になります。現在の状態で排熱のバランスは走行して長射程武器で過熱0。走行して短射程武器で4点の余裕があります。これを考えて武装を配置してください。
 近距離型の武装から、遠距離支援機型まで自由なバリエーションが組めるはずです。




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