メック解説&運用(65t)

 アクスマン   チンガウ 




 もう貧弱な坊やとは呼ばせない。20トンも体重を増やして帰ってきたぜ。この鍛えられた近接火力を見てくれよ。
3050年代
AXM−1N アクスマン AXMAN

背景
 ハチェットマン(45トン)の後継機としてバンザイ兵器設計チームが設計したアクスマンは、単体のメックとしては火力・装甲・機動力に優れた逸品です。
 またアクスマンの武装は連邦共和国で作られたものだけではなく、サルナマーチそして聖アイブズ約款領で製造されたものを多く含んでいます。これは公式には、バンザイが全ての連邦共和国のメック戦士たちが誇りにできるようなメックの製造を約束したために、各国の優秀な部品を採用したからだということになっています。もっとも、皮肉屋たちは、ただ単に国内で生産される部品だけではまかないきれないほど多量の製造注文を取ってしまったために、国外の部品を使わざるをえなかったのではないかと噂しています。
 しかし、そんな噂では揺らぎもしない性能をアクスマンは持っています。

仕様
機動力 4/6/4 11’840’511CB
放熱能力 20
装甲 179
武装 名称 装備位置
AC20 右胴から胴中央にかけて
弾薬(AC20)2t=10射 左胴
CASE 左胴
3×中口径レーザー 右腕
大口径パルスレーザー 左腕
ハチェット 右腕

一般戦術
 アクスマンの武装は近距離戦闘に偏っています。もっとも射程の長い大口径パルスレーザーでも、中距離で7ヘクスまでしか届きません。どの射撃武器も近距離は3ヘクスまでなので、接近することが大事です。
 格闘距離まで接近したら、右腕は3門の中口径レーザーの代わりにハチェットを振るうこともできます。こうすることによって過熱の不安なく高い近接攻撃力を維持することができます。
 高台を占拠したメックのように、動かないことを前提にしたメックを潰すことが得意なメックです。

対中量級以下の戦術
 アクスマンにはまったく遠距離火力はありません。しかも機動力は決して高くないので、下手をすると全く近寄らせてもらえません。また、ハチェットとAC20のおかげで実際の戦闘力以上に警戒されてしまうのが常です。相手の戦列の真っ只中に突っ込んで、相手を威嚇したり無理に走り回らせたり、あるいは高台にこもっているメックに近寄っていって追い出したり、といった運用になるでしょう。
 1対1の戦闘の場合、ただ漫然と走っているだけでは射程外から少しずつ装甲を削り取られることにもなりかねません。とくに歩行MPが6以上あって射程の長い武器を持ったデュエン=グン(25トン)やパックハンター(30トン)のようなメックにはまったく対抗できないこともあります。たとえ主導権を取っても相手が14距離あたりに移動されると、このラウンドは高台の影に隠れるか、一方的に射たれるか、という嬉しくない選択を迫られたりします。こればかりは相手の移動ミスを待つしかありません。

対重量級の戦術
 どの武器も最低射程を持たないので、接近するべきです。走行して全力射撃をすれば8点の過熱です。相手にどれだけ接近できるかがアクスマンの命なので、歩行MPに影響を与えるような過熱は避けるべきでしょう。そのため実際の射撃は走行して大口径パルスレーザーとAC20、あるいは中口径レーザー3門とAC20といったところです。
 格闘距離にまで詰めてしまえば、中口径レーザーの代わりにハチェットを振るうことができるので、過熱の心配はありません。

対強襲級の戦術
 格闘距離でハチェットを振るって全力射撃した場合の最大ダメージは42点にも達します(過熱覚悟でハチェットの代わりに中口径レーザーを射った場合は44点になります)。これは強襲級にとっても驚異的な数字です。しかもハチェットを振るっていればジャンプしない限り過熱しないので、主導権を取っている限りこの破壊力を維持できる計算になります。
 強襲級相手ならアクスマンから離脱される可能性はまずないので(どんなに機動力があっても、せいぜい5/8/5でしょう。)、問題は近づくまでだけです。そして機動力の高いメックほど戦闘力が低くなる傾向は、強襲級では顕著です。アクスマンが接敵する前に大きな被害を受ける可能性のあるメックほど、接近しやすく、離脱されにくいので、あとはジャンプを活用し、有利な地形をうまく利用して近づいてください。最大ジャンプしても大口径パルスレーザーと中口径レーザー2門を射って過熱しないので、当たり目がある限りはどんどん射ちましょう。AC20は弾薬が少ないので、接近するまでは控えた方がいいでしょう。
 アクスマンの装甲は強襲級と渡り合うには頼りないものがありますが、刺し違えることができるだけの破壊力は持っています。ウォーハンマー(70t)にでも乗った覚悟でいきましょう。65トンで強襲級1機を半壊にできれば御の字です。




 3050年代の最後を飾るベストデザイン。初心者でも安心して使える設計。上級者でも納得の性能。
3060年代
JN−G8A チンガウ JINGGAU

背景
 チンガウは”警告”(Jing Gao、チン カオ)から名づけられました。最初のチンガウの小隊が第4タウセティ遊撃隊に配属されたとき、スン=トゥー=リャオは「このメックは戦場へ引率されて力を振るうメックではなく、偵察を行うメックでもなく、守備隊に使うメックでもない。自分の手で自分の敵を見つけ、そのまま破壊するメックだ。その敵に惨劇とは何かを教えてやるメックだ」と演説しました。この惨劇は、主に、右腕に装備された”治痛薬”(Zhi Tong Yao、痛みどめ)ガウスライフルによってもたらされます。
 大量に搭載されたレーザーの射程に入るまでは、強襲級すらゆるがせるガウスライフルが強烈なパンチを叩き込みます。そしてレーザーの射程に捕らえた後は、ガウスライフルによって薄くなった装甲をレーザーの束が打ち抜くという寸法です。
 16射ものガウスライフルの弾薬のおかげで、熟練兵の手にあっては、補給を受けるまでに3体のメックを相手にすることも可能です。

仕様
機動力 5/8/5 14’427’327CB
放熱能力 26
装甲 184
武装 名称 装備位置
ガウスライフル 右腕
弾薬(ガウスライフル)2t=16射 右胴
4×ER−中口径レーザー 左腕
中口径パルスレーザー 右腕

一般戦術
 チンガウは熱に気を使わなくてもいい機体でありながら非常に高い火力を持っています。全力ジャンプして全力射撃を行って4点の発熱であり、通常おこなう全力ジャンプして中口径パルスレーザーを除く全力射撃ではまったく熱が出ません。
 基本的に5ヘクスジャンプで移動し、相手が中口径パルスレーザーの射程内であればER中口径レーザーを1門射ちひかえ、相手が射程外なら届く兵器すべてで攻撃すればいいのです。ただし、最もダメージの大きいガウスライフルが最低射程を割ってしまうような移動は控えましょう。

対中量級以下の戦術
 チンガウが自分よりも軽いメックに負けることはまずありません。安心して戦いましょう。
 相手の苦手な距離を選んでください。遠距離火力のない敵が相手ならガウスライフルで、近距離火力が低いメックなら接近してレーザー1門を残して全力射撃で。ただ、全ての武器が腕についているので、格闘距離に近寄る利点はあまりありません。3距離以上でガウスライフルの最低射程を取られないようにしましょう。もっとも、この、全ての腕に武器がついているというのは軽い敵を相手にするときには有利に働きます。もとより重量の違う相手に格闘を挑みにくるメックは少ないので、格闘に持ち込まれる恐れは少ない上に、自分よりも機動力のある敵に背面を取られても強力な火力を維持できるからです。自分の近くの背面を取られたら左腕のER中口径レーザーの束を、遠くなら右腕のガウスライフルをお見舞いしてやりましょう。

対重量級の戦術
 なるべくER中口径レーザーの中距離である8距離以内で戦うべきでしょう。ただし格闘距離は厳禁です。必然的に蹴りが主体の戦いになるうえにガウスライフルが当たらなくなります。なるべくなら3から8距離で戦いたいものですが、この距離はたいていの重量級にとっても得意な距離でしょう。場合によっては15距離以上でガウスライフル1本で戦うという選択もあります。相手の武装を考えて距離を取ってください。相手よりも少しでも火力が高くなる距離で、5ヘクスジャンプを基本に動いていれば勝てるはずです。

対強襲級の戦術
 ひたすら飛び回ることです。遠距離を取っても射ち負けることが見えているので、近づいて射ち合い、主導権を得たら背面をとる、という戦法になるでしょう。格闘距離にさえ入らなければ、強襲級とでもそれなりに戦えるはずです。あとは装甲が消える前にどれだけ多く主導権をとれるか、です。


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