LAM運用ルール(レベル3、『Tactical Handbook』より)
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 LAMはLand-Air Battlemechの略称です。気圏戦闘機、エアメック、バトルメックの3形態に変形し、空中でも地上でも運用できる、という何でも屋です。
 現在ではどのレベルのルールにも掲載されておらず、なかばアンオフィシャルな存在として扱われているようです。このように扱われている理由は不明ですが、巷では「ゲームバランスが悪いため」「『マクロス』のバルキリーそのものすぎて、版権がやばいから」などと言われています。とくに日本のバトルテック系サイト管理者のあいだでは、後者の理由であると信じている人がほとんどのようです。

 『AeroTech』第1版に運用ルールが掲載されているそうですが、未入手ですので、『Tactiacl Handbook』所収のものを紹介するにとどめておきます。(『Aero Tech』第2版には掲載されていません。)



背景
 Land-Air BattleMech、略してLAMは「何でも屋」であり「器用貧乏」です。過去2世紀の間に、この地空両用の戦闘機械はしだいに戦場から姿を消していきました。本来は星間連盟軍に、気圏戦闘機と軽量級メックのよい点をあわせ持った優れた偵察ユニット、として配備されていました。しかしこのメックは高価であるため、結局は生産ラインから落とされていったのです。星間連盟期、そして継承権戦争を通して、ごく限られた数のLAMが生産されましたが、中心領域の軍隊で広く使われることは二度とありませんでした。
 最近まで、ただひとつだけLAM製造工場が残っていました。この工場は惑星イリスにあり、現在(3050年代半ば)ではノバキャット氏族のOZ(占領地域)となっています。クランの厳格な階級制度のもとでは、気圏戦闘機とメックの区別をあいまいにするようなパイロットは存在できず、したがってLAMの存在する余地はありません。中心領域の人々は、このLAM工場はクランのもとで改造ないし解体されたものと推測しています。このため、現在ではLAMの修理部品は製造不可能です。

変形
 LAMはまるごと1ターンを費やして、現在の形態から別の形態へと変形することができます。(バトルメック←→エアメック←→気圏戦闘機)。このターンの間も移動と攻撃はおこなえますが、別表に示したとおりのペナルティを課せられます。致命的命中の部位によっては、変形できなくなることもあります。
 
変形中のペナルティ
変形形態 移動のペナルティ 戦闘のペナルティ
バトルメックからエアメック バトルメックの1/2 命中判定に+3
エアメックからバトルメック エアメックの1/2 命中判定に+3
エアメックから気圏戦闘機 通常のエアメック 攻撃不可能
気圏戦闘機からエアメック 通常の気圏戦闘機 攻撃不可能
致命的命中による変形の制限
致命的命中箇所 不可能になる変形
ジャイロあるいは腰 バトルメックからエアメック;エアメックからバトルメック
肩駆動装置あるいは上腕駆動装置 エアメックから気圏戦闘機
大腿駆動装置あるいは下腿駆動装置 すべての変形がおこなえなくなる

バトルメック形態
 バトルメック形態でいる間、LAMは通常のメックとして扱われます。

エアメック形態
 エアメック形態でいる間、LAMは以下の移動、戦闘、ダメージ適用のルールに従います。

○移動
 地上にいるときは、エアメックは通常のバトルメックと同じように移動します。ただし、歩行MPはバトルメック形態の1/3(切り上げ)です。この歩行MPをもとに走行MPを通常通り計算してください。エアメック形態のジャンプMPはバトルメック形態の3倍です。ジャンプおよび飛行では熱は発生しません。
 以下の修正を除いて、エアメックのジャンプはバトルメックのジャンプと同様に扱います。エアメックのジャンプあるいは飛行は、かならず2つの行動が必要です。離陸と着陸です。どちらも2MPを消費します。ジャンプあるいは飛行のあとの着陸には、−4の修正をかけて操縦ロールをおこなわなくてはいけません。操縦ロールに何らかの修正がかかっている場合は、すべて適用してロールをおこなってください。何らかの修正がかかるようなダメージを脚にうけたエアメックで着陸をおこなう場合は、この−4の修正は得られません。
 エアメックはターンの終了時に着陸している必要はありません。ジャンプMPが飛行可能な長さ(6ヘクス以上)であれば、そのままジャンプから飛行に移行してもかまいません。この場合、LAMはVTOLとしてあつかわれ、VTOLの移動と高度変更ルールが適用されます。(最初の高度は、最初の地形の1レベル上です)。
 飛行するのなら、エアメック形態のLAMは毎ターン6ヘクス以上移動しなくてはいけません。もし6ヘクス以上移動できないのであれば、そのターンは着陸をしなくてはいけません。なお、垂直に移動した分は数えません。
 飛行中は後退はおこなえません。

○戦闘
 地上にいる間、エアメックは通常のバトルメックと同じようにあつかわれ、通常通りの修正が適用されます。
 飛行している間、LAMは「ジャンプしているバトルメック」として扱われ、攻撃する/攻撃される際の命中判定修正も同様に適用されます。
 地上にいるエアメックに対して攻撃する場合は、通常通りに判定をおこないます。
 飛行しているエアメックから、地上攻撃をおこなっている気圏戦闘機を攻撃する際には、命中判定に−1の修正がかけられます。

○ダメージの適用
 LAMがバトルメック形態からエアメック形態に変形すると、左右胴は翼に変形します。エアメックに攻撃が命中したばあい、通常のメックとおなじ命中箇所決定表を振って、命中箇所を決めます。片方でも左右胴/翼の装甲が失われると、エアメックはもう飛行をおこなうことができなくなります。その場合でも、通常通りジャンプをおこなうことはできます。もし、飛行中に胴/翼が失われた場合は、LAMは墜落し、VTOLの墜落ルール(『Bttletech Compedium』p40)にしたがいます。さらに、エアメックは墜落したターンに水平移動した距離の半分に等しい距離を、スリップします。スリップするヘクス、1ヘクスにつき、転倒の半分のダメージが適用されます。さらに、スリップの進路上の障害物はエアメックによって突撃を受けたことになります。(スリップのルールは『Battletech Compedium』p16−17を参照)
 左右胴/翼以外のダメージはすべてバトルメックと同じように適用されます。

気圏戦闘機形態
 エアメックは気圏戦闘機形態に変形できます。変形には1ターンかかり、その間飛行をおこなうことはできます。変形をおこなうターンは、攻撃をおこなうことはできず、移動はエアメックに準じます。

○移動
 LAM気圏戦闘機は通常の気圏戦闘機と同じように扱います。巡航MP/全速巡航MPは歩行MP/走行MPに等しいです。LAM気圏戦闘機は30点の燃料を持っています。

○戦闘
 LAM気圏戦闘機の戦闘能力はバトルメック形態の戦闘能力とおなじです。腕装備武器は翼装備武器として、脚装備武器は背面装備武器として、そして全ての胴装備武器は前面装備武器としてあつかわれます。

○ダメージの適用
 LAM気圏戦闘機のダメージ武器の決定は、以下の表に従います。
 
LAM気圏戦闘機ダメージ部位決定表
気圏戦闘機部位 メック部位
操縦席 頭部
機首
左右胴
胴体 胴中央
エンジン

 ダメージがLAM気圏戦闘機の装甲を貫通した場合、中枢に適用されます。胴中央の中枢が完全に破壊された場合、どの形態であろうと、LAMは破壊されます。
 LAM気圏戦闘機の機体維持点(SI)は、「{機体重量の1/10}−1」あるいは「巡航速度に等しい値」のうち、高いほうです。
 LAMは爆装はできません。

LAMの作成
 LAMを作成する場合、通常のバトルメックの作成ルールをつかいます。LAMの総重量の10%(0.5トン単位で切り上げ)が変形機構として必要です。
 LAMは55トンよりも重くてはいけません。
 オムニメックはLAMにできません。
 LAMの値段は通常のバトルメックの1.75倍です。
 LAMのCV(戦闘力評価)を計算する場合、変形機構のCVは、「{変形機構以外の全てのコンポーネントのCV}×0.75」です。



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