1999年夏 ソードワールドTRPGリプレイ
 

【キャラクター紹介】(五十音順)

 このデータは夏休みのシナリオ(4シナリオ)終了時のものです。能力値の後の+nの数字は最終シナリオで与えた「能力値上昇の秘薬」(完全版ルールブック275ページ)での増強分です。本当はこんなに大量に与えるつもりはなかったのですが、こういうときに限ってPCのダイス目は暴走するもので...。

シェイン(人間、男、14歳)ファイター4、ヒーラー3
 器用15 敏捷10+1 知力7 筋力15+1 生命16 精神16
 謎解きに大活躍の(実は知性派?)ファイター。

シャープウィンド(ハーフエルフ、男に見える(笑)、19歳)シャーマン3、シーフ1、セージ1
 器用12 敏捷15 知力15 筋力16 生命13 精神15
 パーティの軍師兼リーダー。男装の麗人だそうで。

ジャミル(人間、男、40歳)シーフ1、レンジャー1、プリースト(ファリス)3
 器用14+1 敏捷9 知力11 筋力13 生命13 精神13
 硬派のファリス神官。バイトのためプレイヤーが抜けている時間が長く、出番が少なかった。

スミス(ドワーフ、男、20歳)ファイター3、プリースト(ブラキ)2、セージ2、クラフトマン(金属)5
 器用15 敏捷8 知力10 筋力19+1 生命21 精神25
 典型的なドワーフ街道を邁進するパーティの主戦力。

フィリー(人間、女、年齢不詳)ソーサラー2、セージ2、ハンター3
 器用13 敏捷14 知力20 筋力14 生命8+2 精神10+2
 実はハンター3レベルはパーティ随一の戦力だったのだが、ずっと封印していた。10点の精神力がネック。

ラオ(人間、男、21歳)シーフ3、レンジャー1、セージ1、プリースト(ガネード)2
 器用18 敏捷20 知力20 筋力21 生命18 精神18
 相変わらずのダイス爆発プレイヤーが担当するシーフ。戦闘では攻撃を外したことがなく、1/3以上の確率でクリティカルする...GMの建てた戦闘プランは、必ず彼の2連続ないし3連続クリティカルで崩壊する。やめてくれ〜(悲鳴)。
 

【リプレイ】

GM:君たちはルートからエレミアへ向かっている途中の街道にいる。もうパーティを組んでいることにしよう。キャラクター作成の段階でお金の貸し借りもあったことだし。
 君たちが森の中を歩いていると、近くの茂みからがさごそと音がする。そして森の中から年のころ30くらいのおじさんが飛び出してくる。
 おじさんは君たちを見るなり「た、助けてくれー」と叫ぶ。で、おじさんの指した森の中から追いかけるように大きな獣が...知名度判定をしてもらおうか。
シャープウィンド(以下シャープ):13。
GM:じゃあ、分かる。ワイルドボア、野生のイノシシです。3レベルモンスター。生命点は20点。今は矢傷を負っているからもう少し生命点は低いけどね。背中に矢を突き立てて、怒った様子で君たちの方へ。というわけで1ラウンド目はチャージ(突撃)。
シャープ:いけない。
GM:飛び道具があるなら接敵前に1回攻撃できるよ。
ジャミル:じゃあ撃ちます。9。
GM:残念、それは外れた。

《1ラウンド》

GM:では、接敵。ワイルドボアの敏捷度は9だ。
シャープ:何もしない。
フィリー:《スリープクラウド/眠りの雲》を使います。
シャープ:イノシシに魔法使うかなー。
フィリー:だって殺したくないし...低い、9。
GM:それは効いてない。
シャープ:前衛、前に出てください。
シェイン:じゃあ、前に出ます。攻撃、11。
GM:当たってる。
シェイン:ダメージは8です。
GM:ちくっと。
シャープ:狩人の人は?
GM:君たちの後ろで震えていよう。清く正しいNPCだから。
 イノシシの番だな。前衛は一人しかいないのか。シェインにチャージ...11といって殴ってくる。
シェイン:うあ、どっかーん。
GM:当たったならダメージは13点。
シェイン:8点も通った。ああ、生命点が半分に。
スミス:殴ります。バトルアクス両手持ちで、当たり?じゃあダメージ11。
GM:むう、体が半分しか残ってない。
ジャミル:僕も撃つぞ。当たって、ダメージは10。

 ぼたん鍋に目が眩んだドワーフによって、イノシシはしとめられてしまう。

GM:おじさんは「ああ、助かった。鍋の材料がこんなに強いとは思ってなかったんだよ」と言いながら、近くの茂みから、がさごそと這い出してくる。「いやー、君たち強いなあ。どこに行くんだい、これから?」
ジャミル:何ガメルにしとく?(笑)
スミス:借金分くらいは巻き上げておかないと(笑)。
GM:「そうか。君たち、お金がないのか」

 一同笑。

GM:「おれはウィリアメット。ホークという村へ帰るところなんだ。でも、ルートじゃたいした護衛は雇えなくてね。よかったらおれの村まで来ないか?お礼もしたいしな」
ジャミル:いくらくらい?
GM:一人100ガメルってとこ。

 ここでジャミルのプレイヤーが抜け、NPC化。

スミス:距離は?
GM:ここから2日くらいだね。
シャープ:問題無いね。
フィリー:じゃ、いきましょう。
GM:では、それから襲撃もなくて2日目の夕方頃にホーク村のある「はず」の場所に着きます。
一同:「はず」?
GM:「ここら辺のはずなんだけど。おかしいなあ」とか言いながら、てくてくと歩いていくと...何かきらりと夕陽を浴びて光るものが見える。
シャープ:見てみます。
GM:何かでっかい、きらきら光るものがみえるよ。
シェイン:ダイアモンド?
シャープ:距離はあるんでしょ。
GM:うん。
シャープ:気を付けながら近づいてみよう。
GM:はい、荒野の真ん中にでっかい琥珀のかたまりがあるよ。ダイヤってのは近かったかな。
スミス:わーい。切り刻んで、売ろう。
GM:高さ、幅、奥行きが数mくらい。「おかしいなあ、この辺りに村があるはずなんだけど」
フィリー:村がないの? 人がいないんじゃなくて?建物がないの?
GM:うん。
フィリー:更地になってる、と?
GM:うん。
シャープ:琥珀を調べよう。
GM:琥珀の中に何かミニチュアのような...。
一同:(どよめく)。
シャープ:(あわてて)触らずに眺めてるだけ。
フィリー:それって、人もいたりする?
GM:小さくて人は識別できない。でも畑とかあるね。
シャープ:精霊力は?
GM:なんか凝縮されてるね。
フィリー:《センスマジック/魔力感知》。
GM:強力な魔法がかかってる。
フィリー:手におえないと思います。(両手を挙げるしぐさ)

 プレイヤーたちはいろいろと琥珀に対して試してみるが、打つ手が見つからない。そうこうしているうちに、一番近づいていたウィリアメットさんが、うっかり琥珀に触れてしまい吸い込まれてしまう。GMとしては依頼人を追って、琥珀に潜ってもらいたかったのですが、PCたちは警戒して入ろうとしません。
 仕方が無いのでGMは強引に話を進めていきます。

シャープ:夕暮れかぁ・・・とりあえずここで野宿だね。
GM:そうやって、琥珀の前でうろうろしてると、琥珀の中に引きずり込まれるような圧力を感じる。そして、みんな吸い込まれてしまうよ。
シェイン:えー?
スミス:ごぉぉぉぉ(吸い込まれる擬音らしい)
GM:吸い込まれると隣にウィリアメットさんが立っている。周辺は、村と周辺の地形がすっぽりと琥珀に囲まれたようになっている。中の人にとっては外の世界が琥珀に覆われているように見える。で、向こうに村がある。
シャープ:むー。村は普通に見える?
GM:うん。もう小さくない。
シャープ:事情がわからない。とにかく村に入ろう。
GM:村はこんな感じになってる(と地図を見せる)
シャープ:まずは村長さんのところへ行くのが妥当かな、と。
GM/ウィリアメット:「おれ、村長の息子なんだけど」
ジャミル:なんて都合の良い。
GM/ウィリアメット:「この村は辺境だから、外貨獲得のために穀物を売りにいった、その帰りだったんだ」
シャープ:では、村長の家へ行きます。
GM:村に入ると家々から人が飛び出してくる。「おお、外の人だ」とか言いながら、君たちの周りに群がってくる。で、人をかき分けながら村長と思しき老婆がやってくる。「おかえりウィリアメット。お前がいない間に大変なことになったよ」と。「ところでこの人たちは?」
ジャミル:冒険者です。
フィリー:ウィリアメットさんの護衛です。
GM:「それはそれは。まあ、立ち話もなんだから、中へどうぞ」と村人たちを散らして、村長の家に案内してくれる。村長のおばあさんの名前はマースドだと自己紹介する。
 村長の家は村の広場にあって、村唯一の2階建てが村長の家...ではなくて、それはリーバ家という家で。村長の家も平屋。
シャープ:よろしく、マースドさん。ところで一体どうなっているのか、事情を聞きたいのですけど。
GM/マースド村長:「3日ほど前、夜が明けたら村の外はみな琥珀に固められて、どうして世界中が琥珀に覆われてしまったのか見当もつかない。手を尽くして琥珀を掘ろうとしても、ひびひとつ入らない。まだ貯えで自足しておるが、このままではいつか・・・」
シャープ:3日前、何か変わったことは? 小さい村だからすぐにわかるはず。
GM/村長:「何も。目が覚めたらこうなっておった」
シャープ:誰か来たとか?
GM/村長:「いや、外部の人は誰も入ってきておらん」
シャープ:外からじゃないなら、内部かな。
GM/村長:「まあ、こうなったら運命共同体。原因を突き止めてくれないかの」
 とりあえずウィリアメットさんの護衛の分として、一人100ガメルずつ払おう。いない人の分はリーダーに。
シェイン:そのお金で借金を返します(笑)。
GM/村長:「報酬は払う。と言ってもあまり現金はないが...そうじゃ」
GM:マースドさんは「この家に伝わる鎧がある」と言ってチェインメイルを取り出してくる。セージの「宝物鑑定」してみて。
シャープ:13。
GM:これはチェインメイル+1です。必要筋力は10。銘はザ・ブリーダー(血まみれ)。
 コマンドワードを唱えると防御力30のチェインメイル+2になる。ただし、毎ラウンド0レーティングで生命力を失う。普段はチェインメイル+1として使えるよ。ちなみに銀製なので精霊魔性を阻害しない。
シャープ:持てない。(シーフなので制限がある)

 誰が持つのか決まらないので、とりあえず、この鎧は成功報酬ということになりました。

ジャミル:村人たちに聞き込みに行こう。
GM/村長:「とはいえ、今日はもう遅いから、泊っていくといい」と言って客間を貸してくれる。

GM:では翌朝。食事時にリーバさんが「村で唯一の二階建てのリーバ家というのが、昔の村長の家だ。先祖が魔術師だった、とかいうので本がたくさんあるそうだ。調べ物をするのなら、そこじゃろう」と教えてくれる。
シャープ:怪しいのはそこなんだな。・・・ソーサラーの出番だね(フィリーの方を見る)。調べ物はまかせて、僕らは聞き込みにいきたいんですが。
フィリー:うん。いいよ。
GM:聞き込みの方を先に解決しようか。
シャープ:近くの村人に、3日前のことについて、何かおかしなことはなかったかどうか、たずねる。
GM/村人:「普通に畑仕事して、帰って、寝て、目が覚めたら、村の外が全部琥珀になっていたんだ」
シェイン:その日に寝てなかった人は?
GM:田舎の農村だし、みんな寝てるよ。
シャープ:じゃあ、リーバ家については?
GM/村人:「リーバ家かあ。昔は村長をやっていたんだが、10年ほど前に流行り病で家の者が死に絶えて、今はティラムックという遠縁の者が1人で家の管理をしている」

GM:有用な話はそれくらいかな。じゃリーバ家の方を解決しようか。
 リーバ家に行く前、リーバ家の隣の家の玄関先で、おばさんがぎこぎこと(のこぎりをひく動作)。梯子(はしご)を切っている。
フィリー:何をしているの?
GM/おばさん:「閉じ込められたままで、木が少なくなっているから。だから梯子を薪の代わりにしようと思っているんですよ」
フィリー:なるほど。ひょっとして、食事も畑の分しかなかったりするの?
GM/おばさん:「そう」
フィリー:水は?
GM:...考えてなかった。
フィリー:あう。まずいじゃん。
GM:まあ、汲みためた水でやりくりしてるんじゃないかな。
シャープ:あるいは、ため池があるとかね。

 そういうことにしておこう(笑)。

フィリー:リーバさん家にいって、こつこつと(ドアを叩く)。
GM:反応はない。鍵もかかっているようだ。
フィリー:じゃ、裏口に回って。
GM:この家、裏口がないよ。
フィリー:なら、隣のおばちゃんに聞いてみるよ。
GM/おばさん:「ティラムックさんかい? まだ寝てるんじゃないかね」
GM:そのあたりで、聞き込みに行った人が帰ってくる。
シャープ:何やってんの?
フィリー:開けてくれないんだもん。寝てるらしいんだけど。
スミス:じゃあ、破壊だ、破壊。
シャープ:そんな乱暴な。扉に鍵は?
GM:かかってる。
シャープ:開けてみる。・・・楽々成功。「失礼しまーす」と言って開ける。
フィリー:ひぇー、いいの?
シャープ:非常の事態だ。しょうがないよ。隣に人いるんだっけ?
GM:おばさんがいるよ。
シャープ:窓から顔出して、「入っていいですか?」って聞いてみよう(笑)。
GM/おばさん:(苦笑して)「まあ、見なかったことにしておこう」
シャープ:昨日ティラムックさんは? 見かけたんですか?
GM/おばさん:「ああ。畑仕事が終わって、帰ってきたのを見たよ」
シャープ:じゃあ、寝てるんでしょう。
GM:家はこうなってる。(家の見取り図を見せる)
シャープ:「ティラムックさん?」呼びかけてみる。
GM:反応がない。
シェイン:寝室はどこでしょう?
ジャミル:上かな。
フィリー:この使用人部屋ってのは?
GM:昔の使用人部屋だ。今は使われていない。
シャープ:じゃあ・・・食堂のドアを開けてみる。
GM:誰もいないね。
 言い忘れてたけど、階段脇の物置の扉が壊されているね。
フィリー:それは見ないわけにはいかないと思う。
シャープ:調べてみるよ。
GM:雑多な日用品、箱が散乱してる。ほかには杖とか、竜の牙らしきものとか。
シャープ:こそっと、ポケットに入れてみる。
フィリー:それは住人がいないことを確かめてからにした方が。(笑)止める。
シャープ:えー(嬉しそう)どうしよう? 即決勝負とか?
GM:<冒険者レベル+知力>と<シーフ+器用度>で勝負してみようか。
シャープ:(ころころ)あ、見つかっちゃった。
GM:じゃあ、フィリーシャープウィンドがポケットの中に竜の牙を入れようとしているのを見つけたよ。
フィリー:こら、やめなさい。

 各部屋をまわってみるが、1階にはこれ以上何も変わったものはないようだ。

シャープ:2階へいってみます。呼びかけながら。
GM:全く反応がないね。
フィリー:寝起きが悪いのかな。
GM:2階はこんなふうに、右に扉が二つ。左の奥に一つ。
シャープ:右の手前の部屋から。
GM:鍵がかかっている。
シャープ:ノックしてみる。
GM:反応がない。
シャープ:なら、それはおいといて、次の方へ。右から。
GM:右は客間になっているようだ。鍵はかかっていない。あまり使われた形跡はない。
シャープ:がちゃっとあけて、こんこん(ノックする仕種)(笑)。何もないなら次は左側。
GM:書庫になっている。
シャープ:鍵のかかった扉に行こう。もう一回ノック。
GM:やっぱり反応はないね。
シャープ:開けます。と言ってシーフ用ツールを取り出します。
GM:目標値9。
シャープ:はい、開いた。
GM:扉が開くと、血の臭いが。
スミス:でんでろでんでろと。
GM:部屋の中。机、本棚、ベッド、そして机に突っ伏すように倒れている人がある。で、部屋の中は血の臭いで充満している。
シェイン:あ、寝てる。
フィリー:寝てないって(笑)。


参照用の図。

シャープ:血の臭いは嫌いだ。窓を開ける。
GM:窓は鍵がかかっていない。押すだけで開いた。隣の家の屋根が見えるね。
シャープ:倒れている人を調べます。
GM:死んでいる。その側に遺書が置いてある。「この世界に絶望した。助かる見込みはない」とあるね。
シャープ:他に手がかりになりそうなものはないのかな?
シェイン:死因は?
GM:喉をこう、耳から耳までざっくりと切られている。手にはナイフを持っていて、机の上には握りこぶし大の血の染みができている。
シャープ:じゃあ、若造には村の人に知らせてきてもらいましょう。若造くん、行ってきなさい。
スミス:はーい。
シャープ:では、ぐるっと部屋の中を調べてみます。8、低い。
GM:ちょっとわからないな。かなり「狭苦しい」(強調している)部屋だ。
シャープ:村人が来るまで待つしかない。現場保存。
GM:えーと、死体を調べた人、セージ+知力も振ってくれる。
シャープ:また低い。8だ。
フィリー:私が調べてみます。12.
GM:じゃあ、耳から耳までかっさばいたにしては、こぶし大の血の染みってのは出血量が少ないね。
シャープ:別の場所で...?
GM:それにしては部屋中がすさまじい血の臭いで充満してる。
シャープ:人間の血ではないのかもしれない。村人が来るのを待ちます。ちゃんと呼びに行ったのかな?
GM:では、村長さんたちがやってきた。
スミス:ただいま。
ジャミル:大騒ぎだね。
GM:ただでさえ狭苦しい部屋に、人が大量に来るからなあ。
シャープ:はい、現場保存。この線から立ち入らないでください。
スミス:はい。写真撮影はお断りですよー。(笑)
GM:村長さんもチェックしてみよう・・・あ。
ジャミル:6ゾロですかぁ?

 本来、このダイスロールはプレイヤーに「まだ何か気づいてないことがあるよ。自分で考えるか、平目でもダイスを振れば情報を吐き出すよ」と気づかせて、まだダイスを振っていない他のPCにダイスを振らせるためのものだったのですが。6ゾロを振ってしまったのならしかたがないですね。

GM:そこの本棚の後ろ、何か重いものを動かしたような跡が。そもそもこんな狭い部屋でその本棚の位置では、とても大きなデッドスペースができていて不自然。
シャープ:改めてよく見てみる。
GM:本棚を引きずったような跡が見える。こっちへ引っ張ってきたようだ。一人でも何とか動かせる重さだ。
シェイン:動かしてみよう。
シャープ:筋力のある人。ドワーフが一番。
GM:ずりずりと動かすと、本棚の下から巨大な血の染みが。
フィリー:殺した後、死体を机に持っていって、本棚を動かして、血痕を隠したと。
シェイン:なんで隠したんだろう。
シャープ:自殺に見せかけるためでしょう。これは他殺だ。
スミス:誰が殺したんだろう?
フィリー:下(玄関)も鍵がかかってたよね。
ジャミル:窓だな。開いてたし。
シェイン:窓の下に足跡は?
GM:ないよ。でも、窓を開けると隣の屋根が見える。でも2mくらい離れているけどね。
シャープ:ふーん。物置が壊れていたということは、そこに何か手がかりが?
GM/村長:「よく分からない。家の中をもっと調べてみようか」
ジャミル:じゃあ、家捜し。

フィリー:書庫を調べます。
GM:セージ+知力でふってみて。
フィリー:13。
GM:こんな書き付けが二つ、本にはさんであったのが見つかる。

「竜は眠り 騎士は起きる そこに扉がある
 生者は死に 死者は生きる
 知恵か 力か
 歩け 863586358
 死者は死に 生者は生きる」

「琥珀の封印は土地を封じる。古代の魔術師は危険なものを土地ごと封印した。
 もしだれかが封印を解除しようとすれば、周囲の土地ごと封印に取り込んでしまう。
 愚かな開封者は、封印を元に戻すか、飢え死にするかの選択を迫られる。
 『二度と封印は破られない』と言えば、封印は元に戻り、開封者も助かる。」

フィリー:封印を解いたのだぁれかな。
スミス:見つけたらぼこぼこにして。
シェイン:竜の牙と関係あるのかも。
フィリー:村長さんに聞いてみよう。竜って何?
GM:村長さんも知らないそうだ。

 ここで、ラオのプレイヤーが到着します。

ラオのプレイヤー:途中参加、どうしようか?
GM:じゃあ、君は事件を聞いて駆けつけてきた旅の冒険者ということで。キャラクター作ってもらおうか・・・ちなみにもう証拠というか手がかりは出そろっております。推理すれば誰が犯人か分かるけど。エラリー=クイーンなら、「読者への挑戦」だね。
フィリー:えぇー?
シャープ:また物置を調べる。
GM:シーフ+知力で。
シャープ:11。
GM:5点と6点の魔晶石が見つかる。あと、壊れた箱が見つかる。「開封厳禁。琥珀の封印の発動体」と書いてある。
フィリー:わー。
シャープ:そのまんまじゃないですか。

ラオ:(キャラクターを作っている)また6ゾロ。...生まれも貴族。所持金も...11で5500ガメル。振り直そうか?
GM:・・・そうして。

シャープ:もう一回部屋を探してみる。
GM:(もう教えちゃおうか)窓のところにこう、二つ、何かをのせたような跡がみつかる。
フィリー:梯子?
シェイン:・・・横のおばちゃん、梯子切ってたね。
フィリー:(はっ)隣の人は?
GM:とっくに姿は消えているね。梯子を切る音も。
シャープ:村人に聞こう。
GM/村人:「メンフィスさんのことかい? 山の方へ行くって言ってたな」
スミス:急いで追いかけよう。
GM:では、レンジャー+知力で。
スミス:6ゾロ。
GM:足跡が廃坑の方へ続いている。
フィリー:追いかける。
シャープ:ファイアボルト用に松明つけて。
ラオ:気がついたら後ろについていることにするぞ。
シャープ:いつのまに...まあ、よろしく。シーフ技能を生かしつつ、先頭に立ちます。で、前衛二人が続く、と。(配列を決める)中に入ります。
GM:中に入るとすぐに2方向に分かれている。
シャープ:松明をかざして奥を見る。
GM:右の方は天井がもろそう。左はしっかりしている。
フィリー:足跡は?
GM:シーフ+知力で振ってみて。
シャープ:9。
GM:よくわからない。
シャープ:うーん、じゃあ、左に曲がってみよう。
GM:先は広くなっている。で、左右に道がある。
シャープ:左の方へ進んでいきます。
GM:しばらく歩くと天井が崩れている。先頭の人、大きな音をたてなかったかどうか、シーフorレンジャー+敏捷度で振って。
シャープ:シーフは音を立てないの...10。
GM:それなら、落盤に気づいて引き返せた。
シャープ:ここは危ないから、次、右の方。
GM:ここも左右に分かれている。
シャープ:入り組んでるなぁ、ここ。
シェイン:(シャープに)いってらっしゃーい。
ラオ:シーフ=レンジャーだけでいってらっしゃーい。
シャープ:レンジャーないけど。行きます。
GM:右が狭まっていて、左が広がっている。
シャープ:とりあえず、広がって...ない方へ。
GM:また、もろくなっている。
シャープ:やばいんだけどな...9。
GM:なら大丈夫。引き返せた。
シャープ:良く考えたら、自分で松明持っていたらインフラビジョン使えない。誰か持って。
ラオ:2番手で持とうか。おれシーフ=レンジャーで隠密行動向きだし。
シャープ:そ、それを先に言ってー(笑)。

 パーティは広くなっている方へ向かう。

GM:洞窟が途中で人工の部屋につながっている。鉱山掘っていたら遺跡に当たったみたい。四角い部屋。
シャープ:調べます。
GM:壁一面に壁画が描いてある。騎士の一生を描いたものみたい。誕生、叙勲、竜退治、死亡、と。
シャープ:これかぁ。竜退治のところを調べますよ。
GM:場所が分かっているのならサイコロ振るまでもなく、隠し扉が見付かるよ。
ラオ:罠、そして鍵。
GM:隠し扉に仕掛けるもんかい。
ラオ:そんじゃ開けるぞ。


 

GM:その先は円形の部屋になっている。部屋の床中にタイルが貼ってある。一つが50cm四方くらい。骸骨と生きている人の顔が互い違いになっている。部屋の奥には扉がある。
シャープ:「生者は死に、死者は生きる」……生きている人の顔を踏むと、罠が発動するんだろうな。骸骨を踏みながら進みます。
GM:扉の前まで来たよ。
シャープ:罠は・・・9。
GM:ないと思った。
シャープ:生命力のある人、ドワーフ、開けて。他の人は部屋の外で待機ね。
スミス:開けます。
GM:すると、すべての生者のタイルの上に槍が落ちてくる。だれにも被害はないね。

GM:扉の先は三角形の部屋になっていて、各辺にそれぞれ扉がある。君たちが来た扉、と他に二つだね。
シャープ:それぞれ罠と、鍵を調べます。
GM:ないよ。代わりに西の扉には「知恵」、東の扉には「力」と書いてある。
シャープ:力に自身はないなぁ。
ラオ:おれ、力へ行く。
シャープ:まとまって行動した方がいいの。知恵の扉を開けます。
GM:その先は5角形の部屋になっている。南に扉があって、扉にこんな大きな板と8枚の数字の小さな板がある。それぞれ大きな板のくぼみにに収まる大きさだ。

O−O=O
− + −
O+O=O
= = =
O−O=-2

GM:最後の「−2」だけ埋まっている。あとは1から8までの数字を書いた小さな板がある。「O」の部分に収まるよ。

 一同、一斉に問題を写して考えはじめる。GMとしてはみんなで取り組んでもらっても構わなかったのだが。
 待つことしばし。

ラオ:解けたぞ。
GM:早いな。どれどれ、お、完璧だ。
ラオ:一番乗りー。こういうパズルは得意なんだ。たくさんやってるから、解き方も知っているし。
シェイン:できたー。
GM:さすが、若いと頭が柔軟なんだな。うん。正解。
ラオ:3番は誰かなー。
GM:競争になってしまったな(苦笑)。

 さらに待つこと数分。

シャープ:これで完璧。
GM:全員終わるまで待ってたら時間がかかるな。あと一人終わったら次に進もうか。

フィリー:終わりました。
GM:確かに。じゃあ..。
フィリー:(スミスに)君には、これ、宿題ね。
スミス:うひー。
GM:板を正しい位置にはめると扉が開く。その先は8角形の部屋になっていて、奥と西側に扉がある。奥の扉には「歩け。863586358」と書いてある。
シャープ:なんだろう・・・?
ラオ:ところで、こっち(西の扉)の「力」ってなんだったんだ? 見てみるぞ。
GM:熊の石造が置いてあるね。
シャープ:「知恵」を解いたからもう動かないよね。
GM:うん、動きそうにない。
シェイン:(地図を見て考えている)863586358。こう回るのかな。(4つの部屋を時計回りに示す)。
GM:おお、いきなり解かれたか。
フィリー:なるほど。
シャープGMが部屋の形にこだわったのはそういうわけなのかー。じゃあそのとおりに歩きます。
GM:歩いてくると、扉が開いている。
 奥の部屋にはまた、骸骨と生者のタイルが交互に貼ってある。

シャープ:今度は生きてる人の顔を踏みながら行くんだよね。
GM:扉が開くと槍が降ってくるけど、だれもひっかからないわな。
 奥の部屋はまた四角になっていて、奥の壁にひときわ大きな扉がある。その前にメンフィスさんが立っている。
 君たちを見ると「邪魔するんじゃないよ! あと少しで封印が破れるんだから」とボーンゴーレムに命令を。
 さあ、戦闘だ。メンフィスさんは封印解除に集中している。ゴーレムの敏捷度は9だ。
スミス:あう、ゴーレム以下。
フィリー:おばちゃんに《スリープクラウド/眠りの雲》。
GM:抵抗ロール...あれ、1ゾロ。寝ちゃった。
 (気を取り直して)でもゴーレムは動いているぞ。3レベルモンスターが3体だ。強敵だぞ。

 全然強敵じゃなかったです。3体ともラオの連続クリティカルで葬られました(泣)。まあ、ラオがいなくてもこのゴーレムたちじゃスミスシェインのチェインメイルを貫くことは難しかったろうけど。
 ラスト戦闘にしてはちょっとあっけなかったかな。メンフィスさんをちょっと強めに設定したつもりだったけど、寝ちゃうんじゃなあ。オープンダイスの恐いところだね。
 

【結末】

スミス:おばちゃんの懐をあさってみよう。
GM:うん、にぎりこぶし大の奇麗な琥珀の固まりが出てくるね。
フィリー:中にこの村が見えたりする?
GM:見えるね。
シェイン:え...と(考え込んでいる)。
シャープ:気にしない。だから魔法だ。じゃあ、「二度と封印は破られない」と。
GM:すると、あたりの景色が歪みだす。気がつくと村外れの平地に立っている。もう村は本来の位置に戻ったようだ。琥珀の外に出て、夕日が眩しい。そして、琥珀の中には、さっきまで君たちがいた洞窟のある山が収められている。

 かくして再び封印は施され、村は解放されたのでした。
 このシナリオでPCは1500点(+1ゾロ)の経験点を得ました。



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