ルシエン会戦
 3052年

参加兵力
氏族側 5個ギャラクシー

 スモークジャガー氏族 3個ギャラクシー
 ノバキャット氏族 2個ギャラクシー
 

中心領域側(ドラコ連合正規軍(DCMS)および傭兵部隊) 16個連隊

 首席親衛隊 8個連隊(精鋭5個連隊、熟練3個連隊 <光の剣>第一連隊や両ゲニョーシャ部隊など)
 竜の爪部隊 (クリタ=タカシが直接指揮)
 傭兵部隊ケルハウンド 2個連隊
 傭兵部隊ウルフ竜騎兵団 5個連隊

 連邦共和国のハンス=ダビオンの要請を受け、二つの傭兵部隊(ケルハウンドとウルフ竜機兵団)がDCMS援護のため参加。



戦況の推移
 「バッチェル」でDCMSが戦場の選択権を得る。セオドア=クリタは帝都郊外50kmのタイラカナ平原と周辺の丘陵地を選択した。


 制空権を得ることに失敗した氏族側は、着陸地点を選ぶ余裕はなく、平原の中央に降りざるをえなかった。降下船から部隊が展開して数分も経たないうちに<光の剣>第一連隊所属の航空部隊の攻撃を受ける。氏族側のメックは大きな損害を被りつつもDCMS主力の展開する盆地へ向かう。

 盆地に待ち構えていた<光の剣>第一連隊所属の地上部隊とゲニョーシャ、精鋭オトモ部隊と衝突する。
 セオドア=クリタの軍事の監令就任以降、有効な戦術を身につけたDCMSは頑強な防御力を示し、氏族の予想に反して、激烈な砲火にさらされながらもほとんど後退しなかった。

 最初に崩れたのはDCMSの戦列の中央を構成するオトモ部隊だった。オトモ部隊のメックはまったく後退せず、ついに部隊のほとんどのメックが破壊された。その間隙をスモークジャガーの部隊が前進して埋める。氏族たちが罠に陥ったことに気づいた時には、もう遅かった。
 氏族がオトモ部隊の第三戦列(最後の戦列)に到達したとき、戦場に埋められていた振動爆弾が作動した。
 さらに、機動性を失った氏族の部隊にDCMSのアーチャー部隊がLRMでとどめを刺していった。残った囮のオトモのメックも連動して爆発し、さらに氏族の被害を広げた。

 氏族が混乱しているところへ、本物のオトモ部隊と第二ベガ連隊が突撃していった。
 氏族は後退し、隊列を整え直して、側面から攻撃していた<光の剣>第一連隊に反撃した。
 <光の剣>第一連隊は一旦後退したが、すぐに踏みとどまり、再び前進を開始した。

 折りよく到着したノバキャットの1個ファランクスと気圏戦闘機部隊がジャガーを助け、クリタの戦列を突破し、ついに帝都を望む丘に到達した。

 しかし、ケルハウンド第二連隊所属第三大隊がジャガーの第336クラスターに追いすがり、これに一斉攻撃を加えたことが、氏族の帝都到達を阻む決定打となった。

 この後、ケルハウンド第三大隊はよく戦ったが、氏族の数に押されていった。<光の剣>第一連隊が援護に入ったため、かろうじて全滅は免れたが、この部隊は戦闘続行が不可能なほどのダメージを被っていた。



 残ったスモークジャガーの部隊はカドグチ谷に到着した。この谷の脇には低い丘陵を挟んで、もう帝都があった。
 スモークジャガーのオシス汗は完全勝利のために、全力で一戦して残りのDCMSの部隊を破ろうとした。

 2本の戦列に分かれたDCMS主部隊は、氏族の過酷な攻撃を受けた。しかし、氏族はルシエンの最終防衛ラインを圧倒することができなかった。

 ジャガーの第145レギュラーズはウルフ竜騎兵団デルタ連隊によって、完全に消滅した。この全滅は、第145レギュラーズの構成員が1人残らず戦闘続行不可能になるという激戦だった。

 オシス汗が突撃命令を下すよりも先に、血気に逸ったジャガー第22レギュラーズは、無謀にも単独でDCMSの戦列の弱いところを突破していた。第22レギュラーズは孤立し、オトモ部隊とベガ第二連隊の集中砲火を浴びてしまった。彼らは数の優位に賭けてオトモ部隊に突撃していった。
 オトモは立ち止まって第22レギュラーズと正面衝突する代わりに、道を譲って彼らがウルフ竜騎兵団アルファ連隊に突撃していくままにまかせた。第22レギュラーズのうち、この突撃に生き残った幸運な者たちは、帝都の捕虜収容所に直行することになった。

 スモークジャガーの第315クラスターが第一ゲニョーシャ部隊とケルハウンド第一大隊によって壊滅したとき、氏族の戦列はついに崩壊した。



 こうして21日にわたったルシエンの戦いは、氏族の完全敗北に終わった。
 投入された5個ギャラクシーのうち、降下船に生きて帰り着いた者は半数以下だったという。


 この会戦の最大の敗因は、スモークジャガー氏族のオシス汗が中心領域の戦士たちを過小評価していたからだという。しかし、オシス汗は同じ過ちをトゥカイード会戦で繰り返し、ウィーバー副汗の戦死と自身の屈辱とを味わうことになる。


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